飲食店を経営されている方に、まずうかがいたいことがあります。
昨日の売上と原価を、今この場で言えますか。
言えるという方は、すでに何らかの仕組みがある会社だと思います。多くの飲食店では、月が変わって、店舗から数字が上がってきて、それを本部でまとめて、ようやく分かる。気づいたときには、もう次の月が動いています。
弊社は東京都台東区浅草でシステム開発を行っており、上野、浅草、神田といった飲食店の多い地域の会社をお手伝いしてきました。この記事では、飲食店でシステム開発を検討するときに、どこから手をつけると効果が出やすいかをご説明します。
飲食店で時間を食っているのは、たいてい集計です
厨房の効率化や、接客の質の向上。そういう話も大事なのですが、システムで解決しやすいのは別のところです。
弊社にご相談いただく内容で多いのは、次のようなものです。
- 店舗ごとの売上を本部でまとめるのに時間がかかる
- 仕入れや在庫の状況が、リアルタイムで分からない
- 勤怠の集計が手作業で、給与計算の前に慌てる
- 店舗から上がってくる報告の書き方がばらばらで、直す手間がある
- 原価が今いくらなのかが、月末を過ぎないと見えない
いずれも、お客様の前では起きていない話です。閉店後や、事務所の中や、店長の休みの日に起きています。だから見えにくく、そのぶん放置されやすい部分でもあります。
神田の焼き鳥店の場合
弊社が神田で焼き鳥店を6店舗運営している会社をお手伝いしたとき、最初のお話は「システムを入れたい」ではありませんでした。
各店舗の売上、仕入れ、在庫、勤怠が、店舗ごとにばらばらに管理されている。それを本部でまとめる作業に時間がかかる。しかも店舗から上がってくる報告の書き方が店ごとに違うので、まとめる前に直す手間がある。原価が今いくらなのかは、月が変わってからでないと分からない。
そういう状態でした。
ここでは、売上、仕入れ、在庫、勤怠を本部で一元管理できる仕組みを作りました。あわせて、店舗からの報告の方法を統一しています。
結果として、集計と転記の作業が減り、売上と原価を早い段階で確認できるようになりました。今は仕入れの量を調整する材料としても使われています。
この会社で効いたのは、報告の書き方をそろえたことでした。システムを入れても、入ってくる情報がばらばらのままでは、まとめる手間は消えません。仕組みと運用の両方を直す必要がありました。
上野のイタリアンの場合
もう1件、上野で2店舗のイタリアンを運営している会社の例です。
こちらは規模が小さいぶん、困りごとの形が違いました。売上や予約、勤怠を確認するために、社長が両方の店を回る必要がある。事務作業は閉店後に集中する。営業が終わってから事務所に戻って、それから数字を見る、という流れになっていました。
ここでは、店舗の外からも確認できる環境を整えました。移動の時間と、閉店後の作業の時間が、そのぶん減っています。
2店舗と6店舗では、作るべきものが違います。6店舗のほうは情報を集めてまとめる仕組みが要りましたが、2店舗のほうは、そもそも見に行かなくて済む環境のほうが先でした。
どこから手をつけるか
飲食店で仕組みにする候補は、いくつもあります。ただ、全部を一度にやろうとすると費用も期間も膨らみます。まずは1つ選んでください。
選ぶときは、次の点を比べてみてください。
- その作業が発生する頻度
- 1回あたりにかかる時間
- 担当する人数
- ミスが起きる頻度
- ミスが起きたときの影響
多くの飲食店で最初の候補になるのは、売上の集計です。毎日発生し、店舗の数だけ担当がいて、間違えると経営の判断そのものが狂います。
次に来るのが勤怠です。こちらは月に一度ですが、1回あたりの時間が長く、間違えると給与に直結します。
在庫と仕入れは、店舗の数が多いほど効果が出ます。2店舗ではそこまで困っていないことが、6店舗になると手に負えなくなります。
既製のサービスで足りる場合もあります
飲食店向けには、既製のサービスが数多くあります。レジと売上の管理、予約、勤怠。それぞれに月額で使えるものがあり、多くの飲食店ではそれで足ります。
弊社も、お話をうかがったうえで既製のサービスをお勧めすることがあります。既製品で十分に解決できるのであれば、新しく作る必要はないと考えているためです。
開発を検討する意味が出てくるのは、次のような場合です。
- すでに複数のサービスを使っていて、それぞれの数字を手作業で突き合わせている
- 自社独自の商品構成や運用があり、既製品の想定と合わない
- 店舗ごとに違うやり方が定着していて、そろえるところから必要になる
- 本部と店舗で、見せたい情報の範囲が違う
3番目と4番目は、多店舗になるほど出てきます。店長には自分の店だけ、エリアの責任者には担当する店舗を、経営者には全部を、という形にしたい。既製のサービスでは、そこまで細かく分けられないことがあります。
現場で使われるかどうかで決まります
飲食店のシステムで、いちばん多い失敗は、現場で使われないことです。
閉店後の忙しい時間に、パソコンの前に座って長い入力をする。そんな仕組みを作れば、そのうち誰も入力しなくなります。入力されないシステムには、何の価値もありません。
ですので、設計の前に次のことを決めます。
- 誰が入力するのか。店長か、社員か、アルバイトの方も含むのか
- どこで入力するのか。事務所か、店内か、移動中か
- どの端末を使うのか。パソコンかスマートフォンか
- 1回の入力に、どれだけ時間をかけられるか
飲食店の場合、スマートフォンで完結できるかどうかが分かれ目になることが多いです。事務所の奥にあるパソコンでしか入力できない仕組みでは、現場にとって使いにくいものになってしまいます。
弊社では、可能であれば現場を拝見しています。書類がどこに置いてあるか、誰がいつパソコンの前に座るか。それを見てから設計を見直すと、実際の使われ方とのずれが減ります。
今使っているレジやサービスとつなげられるか
すでにレジや予約のサービスをお使いの場合、そこから数字を取り出してつなげたいというご要望をよくいただきます。
つなげられるかどうかは、そのサービスが外部との連携をどこまで許しているかによります。すぐに判断できる場合もありますが、仕様を調べてからでないと答えられない場合もあります。
ご相談の際に、今お使いのサービスの名前をお知らせください。レジ、予約、勤怠、会計。それぞれ何を使っているかが分かれば、確認して回答します。
飲食店の業務システム開発の費用の目安
弊社の場合、費用は次のように分けています。
- 小規模な機能追加や、既存システムの改修:30万円程度から
- 複数の店舗や拠点にまたがる業務システムの新規開発:100万円程度から
いずれも税別です。ただし、100万円で業務システムが一式そろうという意味ではありません。開発費は機能の数だけで決まるものではなく、次のような要素で変わります。
- 外部サービスとの連携
- データ移行
- 権限設定
- セキュリティ対策
- テスト
- サーバーやクラウド環境の準備
- 既存システムの解析
飲食店の場合、店舗の数が費用に影響します。ただし、店舗が増えるたびに費用が比例して増えるわけではありません。最初に多店舗を前提とした作りにしておけば、店舗の追加は設定の変更で済むこともあります。
将来の出店を考えている場合は、その旨を最初にお伝えください。あとから作り直すより、最初から見込んでおくほうが安く済みます。
ご依頼から納品までの流れ
弊社の場合、次の順で進めます。
- ご相談。今困っていることをそのままお聞かせください
- 業務の棚卸しと要件定義。現状の業務を書き出し、仕組みにする範囲を決めます。ここで開発の範囲、概算の費用、想定される期間をお出しします
- 設計と開発。画面と機能を設計し、作り始めます
- テストと納品。実際に使っていただき、直すべき点を反映します。使い方の引き継ぎまで行います
- 運用と保守。公開後の軽微な修正や、機能の追加も続けてお引き受けします
飲食店の場合、4のテストは営業時間を避けて行います。忙しい時間に確認をお願いすることはありません。
よくあるご質問
Q. 2店舗しかありませんが、システムを入れる意味はありますか。
店舗の数より、どこに時間を取られているかで判断してください。2店舗でも、確認のために移動している時間が長ければ、解決する意味があります。上野の2店舗の事例も、そうしたご相談でした。
Q. パソコンが苦手なスタッフでも使えますか。
そこを前提に設計します。誰が入力するのかを先にうかがい、その方が無理なく使える形にします。スマートフォンで完結する作りにすることもあります。
Q. 今使っているレジとつなげられますか。
そのレジが外部との連携をどこまで許しているかによります。仕様を確認したうえでお答えしますので、サービスの名前をお知らせください。
Q. 繁忙期を避けて進められますか。
できます。飲食店には忙しい時期がありますので、その前後で日程を組みます。ご相談の際にお聞かせください。
Q. 導入した後のサポートはありますか。
月額の保守契約と、必要なときだけの都度対応の両方をご用意しております。訪問しての保守は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県が範囲で、それ以外の地域はオンラインでの保守を承っております。
Q. ホームページの制作も頼めますか。
承っております。システム開発のほか、WEB制作、テレワーク機器の導入、ネットワークの構築、保守も行っております。窓口をひとつにまとめたいというご要望にも対応しております。
どの段階でご相談いただいても構いません
何を作ればよいか決まっていなくても問題ありません。次のような状態でご相談いただければ、一緒に整理していきます。
- 月末の集計に時間がかかっている
- 店舗ごとに数字の出し方が違う
- 原価が今いくらなのか、すぐに分からない
- 店舗を回らないと状況が把握できない
- 出店の計画があるが、今のやり方では回らなくなりそう
お話をうかがったうえで、そもそも作るべきかどうかから考えます。既製のサービスで足りると判断すれば、そうお伝えします。
弊社の事務所は台東区浅草2丁目にあり、つくばエクスプレスの浅草駅から徒歩2分ほどです。上野、浅草、神田といった飲食店の多い地域とは、打ち合わせや現地の確認に伺いやすい距離です。
スマステ株式会社
東京都台東区浅草2-19-3-701
電話 050-3551-1969(受付 平日10:00〜18:00)
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